定期的な保守点検業務で
ビル機能の維持に努め、
利用者の快適と安全を守る。
名古屋駅周辺エリアのビルの保守点検業務をおこなっています。建物に備わる中央監視装置とフィールド機器が正しく作動しているかの点検です。現在は約20階建てのオフィスビルをリーダーとして担当し、先輩の担当現場にもサポートとして数件関わっています。
保守点検には、計画の立案・点検の実施・管理会社への報告書の提出・機器更新の提案と大きく4つの工程があります。最も重要なのは立案から実施までの準備期間で、現場での作業時間を有効に活用するため、この期間でできる限り不明点を解消しておきます。検査対象物の場所や許可申請の有無、設置されている中央監視装置の構成の把握など。現場に行かない日は、オフィスでこの準備に充てています。
現場では、温度センサの計測値が正しい値か、温度制御をするバルブの開閉動作は正常か、コントローラや中央監視装置が正しく通信できているかなど、数十個にのぼる項目を点検しています。この際に老朽化した機器や今後のトラブルになりそうな場所を発見したら、機器交換などの改善を提案します。
想定外は発生する。それを乗り越え、
糧にできるかがサービス担当者としての成長のカギ。
例えば夏場に温度センサが壊れると、温度制御ができず空調機から冷風が出なくなってしまいます。真夏の暑い日であればなおさら素早く復旧しなければなりません。緊急性が高ければ即日対応も要するため、素早い状況判断力と対応力が求められます。私たちが対処しなければ建物としての運営に支障を来してしまいます。自分の仕事の先にテナント様やそこを利用するお客様がいる、つまり解決できれば喜んでくださる方がいるのです。そのことを常に心がけています。
また想定外のトラブルが発生した場合は、自動制御盤の回路が切れていないか、通信障害が発生していないかなど、一つひとつ検証して要素を切り分けることで原因を特定し、復旧と再発防止に繋げます。どんな想定外も、乗り越えた分だけ自分の引き出しになりますし、現場から発せられる危険信号を感知できるようにもなるのです。学びのない現場は無いとも言えるでしょう。社内の学習プログラムで学ぶこともできますが、実際に遭遇するのとではやはり理解度が違いますね。
点検は単なるルーティンではない。
小さな可能性をいかに察知できるかの真剣勝負。
先輩から言われた言葉が、今の私の取り組み姿勢の根幹となっています。「一定期間安全に運用されている建物の設備でも、100%正しいとは思わずに検査すること」。実際にこの意識で点検すると、今後トラブルに発展するかもしれない小さな可能性に気づくことができるのです。大きな問題に発展する前に収拾する、その積み重ねはお客様からの信頼にも関わります。
前任者から引き継がれ、新しく担当することになった物件がありました。最初の点検時、管理会社の方は新しい担当者である私に不安を抱いていたようで、「前の人はここまで確認してくれていた」という言葉をかけられたのです。その方からすれば当然で、これまでの安定運用が継続できるのか不安になられたのでしょう。私にできるのは、やるべきことをやる、その当たり前を徹底することでした。そして先輩の言葉を忘れずに仕事に向き合うことでした。その結果大きな問題なく1年目を終えることができ、現在は管理会社の方も安心して私に任せてくださっています。
機能維持も、より根本的な課題解決も。
どちらでも頼られる存在になりたい。
せっかく弊社の製品を導入いただいても、私たちが良い対応をできなければ、他の物件で機器自体選んでいただけなくなってしまうかもしれません。お客様に最も近いポジションとして、いつもその点は意識しています。
今後の目標は、まずは保守点検業務の担当物件を増やして経験を積むこと。物件で扱う中央監視装置には最新世代から旧世代まで幅広くあり、世代別に機能や操作に特徴があります。まだまだ知らない世代も多く、引き続き習得していきます。現場経験を重ねるごとに新しい点検手法やトラブル対応策も身につき、着実にレベルアップできている実感は得られています。最近はもっとお客様から頼りにされる存在に成長したい気持ちも強くなっており、「省エネ機能を改善したい」などお客様が抱える課題に対し具体的な解決策が提示できるようになることが次の目標です。建物の機能維持でも、根本的な課題解決の面でも頼りにしていただける存在を目指します。
記事及び写真は取材時のものです。